岩戸山の風景・第三番
岩戸山の紹介です。岩戸山は京都市下京区新町通仏光寺下ル岩戸山町にある山です。岩戸山には御神体として天照大神(あまてらすおほみかみ)と、天照大神の手を取って天石屋から引き出した天手力男命(あめのたぢからをのみこと)、そして天照大神と、建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)の父神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の三体を祀る山となっています。特に伊邪那岐命は、巡行時に山の屋根の上に安置されるということです。今回、その岩戸山に上ることができました。豪華な曳山の内部を見てみましょう。
岩戸山の説明 | 岩戸山の写真 | |||
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岩戸山の車輪。江戸時代中期に曳山に改造されたと記されていました。装飾の豪華さもそうですが、力のある町内は、山や鉾の豪華さを競った時代があったようです。しかしあくまでも真木のかわりに屋根上に松を立てていることや、「岩戸山」として「山」を名乗ることで、伝統の枠内に留まっています。 | ||||
岩戸山では、同じく厄除けちまきなどを一品購入すれば、山に上らせてもらえるということです。また岩戸山拝観券も売っていましたので、今回は券を購入することにしました。岩戸山は御神体が天照大神ということもあり女性の方も上ることができます。伝統を重んじる山鉾もあり、取材する故事神話によって決められる山鉾もあるということです。御神体も展示しておられましたので遠景にて撮影しました。 | ||||
その構造上、山には人が乗り込むことができません。しかし南観音山、北観音山、岩戸山は車輪を有しており、人も乗り込める事実上の「鉾」仕様となっています。人が乗り込める場合には、各町会所の横に「停泊」している際に、山鉾の搭乗部分へ渡るための橋がかりが掛けられているものです。岩戸山のように町会所二階からの連絡橋方式でなく外部階段方式をとっているのは2009年に菊水鉾が橋がかりに変わって以降は他に例がない貴重なものです。 | ||||
金加工が施された豪華な内装です。 | ||||
乗り込んだ二階部分から見下ろすと、車輪が見えます。巡行の際には、この横木の部分に音頭取が二人立って扇子を振りながら掛け声をかけるのでしょう。屋根のせり出した部分の内側にも、鳥の絵が描かれています。 | ||||
岩戸山前方から後方を向いて撮影した写真です。天井の真ん中を突き抜けて、柱が通っている構造も「鉾」そのものです。外部階段も丁寧に溶接されており感心しました。 |