奥寺先輩とのデート当日、三葉と瀧には入れ替わりが起こらなかった。三葉は鏡の前で長い髪を組紐で結おうとしているとき涙を流す。
はじめに
瀧と三葉との入れ替わりは約3年分ずれており、月日も曜日も異なっている。入れ替わりによって、本来の歴史的な事実は、その都度、書き換えられてしまう。その後の出来事は、その都度、変化していくことになる。髪を切った三葉の事故死があるように、本来、髪を切らない三葉の事故死もあったに違いない。しかし、いずれにせよ、お互いに入れ替わっている時間の流れの中では、月日や曜日や歴史の書き換えは意識されない。入れ替わりから戻ると記憶が曖昧になり、その不整合を意識できない。2016年12月9日発行のパンフレットvol.2には新海監督の時間軸説明が掲載されました。その後に残る疑問点を自己解決するために、「君の名は。」研究の別解について次ページに残します。