ダイヤミル分解清掃
はじめに
2006年からダイヤミルを使い始めて、13年になります。毎日1回はコーヒーを飲むのですから、それだけの耐久性を備えていることになります。最近、シンプルな構造のザッセンハウスにも興味があり、いろいろと調べているうちに「ザッセンハウスは丈夫で10年は使える」というフレーズが気になりました。
ハンドルの取り外し
ダイヤミルを分解するためには、まず手回し式のハンドルをシャフトから外す必要があります。ハンドルの付け根にプラスネジがありますのでこれを緩めます。そうすると、ハンドルを抜き取ることができます。
ダイヤルの取り外し
次に、自分自身がダイヤミルと向かい合った状態で見た時に、左側にあるコーヒー豆の挽き目の調節用のダイヤルを左側に回して取り外します。ダイヤルを外して、次に、シャフトの構成部品であり、内部の臼刃を押さえる役割を果たしている部品を取り外します。最後にシャフトに通されているばねを抜き取ります。取り外した部品はテーブルの上に並べておきましょう。
軸受蓋の取り外し
先ほどの部品を取り外した状態を確認しておきましょう。ダイヤミルに向かい合って左側の軸受蓋の状態です。このシャフトを支える軸受の役割を果たす蓋は、三か所のプラスネジで固定されています。分解する際には、反対側の右側の軸受蓋から取り外します。その際に、どのネジがどこに付いていたのかを判別できる工夫をすると良いと思います。例えば紙に軸受蓋の絵を書いて、その場所にネジを置くなどです。
シャフトと臼刃の抜き取り
分解の順序として、右側の軸受蓋のネジを三か所外すのですが、こうした対向して組み込まれている部品を取り外す場合には、右側の軸受蓋の頂点のネジを少し緩め、次に左側の軸受蓋の頂点のネジを少し緩め、そして左側の軸受蓋の右下のネジを少し緩め、次に右側の軸受蓋の右下のネジを少し緩めるというように向かい合うネジと対になるネジや対角に位置するネジを交互に緩めます。そうすることでお互いの部品に均等にあそびが生まれ、均等に張力が緩められることになり、部品のひずみなどを回避することができます。そうでありながら、左側の軸受蓋のネジは3本とも緩めますが、取り外さずに、まずは右側の軸受蓋のネジをすべて取り外します。そして左側に突き出しているネジ目の切られたシャフトの端を押し込みつつ右側の軸受蓋ごと中身の臼刃を抜き取ります。抜き取ってみると理解できますが、回転を受け止める側の臼刃の外側にコーヒー豆の粉がこびりついています。ホッパーと臼刃の隙間をサージカルテープで目張りしておけば良いのかもしれません。試しに1週間程度使ってみました。テープは剥がれずに耐久性を示しましたが、分解してみると何の効果もないことが分かりました。結局他の隙間から裏側へ入り込んでしまいます。
シャフトを抜き取った後の本体
シャフトを抜き取った後の本体の様子です。軸受蓋のネジ穴も金属製のため耐久性があって安心です。こちら側もブラシでコーヒーの粉を落とし、アルコールできれいにふき取っておきましょう。
組み込み状態の記録
次に重要なことですが、この臼刃を分解するとどのように組み込まれていたか、解らなくなる可能性があります。写真で撮っておけば安心です。またシャフトの穴の空いた部分に対して外側の臼刃のどの部分が上に来ていたのかなどは、とりあえずマジックインキなどで印を付けておきましょう。また、右の部品、左の部品の区別を付けるためにLとかRと書いておくと安心です。それがためらわれる方は、テープで印をつけておくと良いです。動かしてみると良く分かりますが、豆が挽かれる部分には、なるべくマジックで文字を書かないようにしましょう。
内部の汚れ
臼刃を分解して驚きます。これは汚れすぎです。半年以上は掃除していませんでしたが、これはあんまりひどすぎます。ここまでひどい状態は初めてみました。普段はもっときれいなのですよ。1ヵ月に1回程度は掃除すべきことのように思います。縦回しの横軸構造の宿命なのかもしれません。
完全清掃
清掃にあたっては、歯ブラシ、爪楊枝、綿棒などで磨きながらコーヒーかすを落とします。消毒用アルコールなどで拭き取ると良いです。他のページにも書きましたが部品の水洗いをすると、鋳鉄製のため、すぐにうっすらと錆が出てしまいます。しかし今回は台所で洗剤を付けて水洗いしました。すぐに水気を取ってドライヤーで熱風乾燥させます。すっきりピカピカになりました。
臼刃の仮組み
再び組み立てます。臼刃をもとあった状態に組み合わせることができれば、8割方終わったも同然です。臼刃には回転方向の区別がありますのでご注意下さい。できるだけ組み込まれていた状態に組み戻す方が良いです。既に馴染んでいる刃と刃のかみ合わせがあるためです。最終的に解らなくなっても慌てる必要はありません。そのうち馴染みます。これはあくまでも趣味の世界です。御安心下さい。楽しく進めましょう。ちなみに少し金色掛かって見えるのが錆だと思います。水洗いしたからです。ここでシャフトの回転部分に植物油を塗っておくと良いでしょう。写真で右側のピカピカと光っている部分です。
シャフトの組み込み
次に臼刃とシャフトを本体に組み込むのですが、分解と逆の手順に従うのですから、まず左側の軸受蓋を本体に軽くねじ留めしておきます。そしてシャフトに挿している臼刃のアッセンブリーは、おでんの串刺しのようなものですから右を下にして右手で持てば、ばらけません。そして本体を右に傾けて上手に挿入してください。本体の溝に臼刃の突起をスライドさせるようなイメージです。上手に差し込むことができれば、左側の軸受蓋から突き出たシャフトの端を左手でつまんで引っ張っておけば固定された状態を維持できます。そこで右側の軸受蓋を被せてネジで仮留めします。
均等にねじ留め
こうして先ほどのネジ締めの考え方で少しずつネジを締めていきます。その間にもシャフトを回したり、ぐらつかせたりしながら締め付けが均等なるようにして下さい。また、あまりにもカチカチに締めこむ必要はありません。ダイヤミルは鋳鉄製であり、ネジの付け外しは丁寧に扱えば何度でも行うことができます。ザッセンハウスのミルが木製の台座に木ネジで固定されていることと比較すると大きな優位性だと思います。
組み込み完了
軸受蓋の固定が終われば、次はシャフトの左側にスプリングを戻します。次に臼刃のクリアランスを調整する部品を組み込みます。ここに少量の植物油を塗布しておくと良いと思います。13年使用しても特に偏摩耗は見られません。最後に挽目を調整するダイヤルを固定して組み込みは完了です。あとはハンドルを取り付けるだけです。