読む
読むとは、200ブロック先読みとか、30手先を読むとか、空気を読むというように目の前で起こっていることや、これから起こることを頭で考えるということ。次に、うたを詠むとは目で見た文字をたどるのではなく頭で考えて口に出すこと。考えたことを口に出すことを詠むという。つまり、考えること、推察することの方が文字をたどるよりも先にあるのではないだろうか。 ちなみにお金を読むとはお札や硬貨を手の感触で確かめることをさす。つまり判断すること。さばを読むとは、のりしろを見積もること。つまり考えるということ。文字を読むことは例えば小説を読むように、現在や、これから起こることを書いてある通りたどることができるという点で思考の再現性に優れている。どちらが先にあるとしても、読むことは推察すること、考えること、理解することと考えておいてよさそうだ。文字をたどって声に出すことを読むという。しかし本来、頭で考えて言葉を発することこそが読むということの本質かもしれない。外から見れば同じことのように見えながら本質が異なっている点がきわめて興味深い。