1. 資格

資格

ある事柄に関わるために必要な諸知識や経験が習得されており、諸準備が整って値することをいう。それは自ら自覚する場合もあり、他者から認められる場合もある。「彼女と付き合う─がある。」「社労士の─がある。」例えば、仕事に限って考えてみると、必要な諸知識や過去の経験や情報を総合して仕事を行うことになる。全く初めて取り扱うことは下調べから確認に至るまで相当の手間を要することから、その諸知識を予め習得しておくことは業務遂行の効率を高め信頼性を向上させることを意味する。つまり、資格とは、仕事の中から諸知識の習得部分を切り分けて、身に付けておくことであり、それ自体が仕事の一部分を構成していることを意味する。例えば、職場において拘束される勤務時間とは別に、アフターファイブに自らの努力で資格試験の勉強を行うとすれば、それは自己研鑽ではあるものの、実質的には仕事の延長線上の取り組みを意味している。金融業などで定時に帰社できる場合には、年間の労働時間数では1800時間程度に見える。しかし様々な知識が求められる業種の必然性から、1200時間の資格取得の学習時間が費やされているとすれば、1800時間+1200時間=3000時間の労働を行っていると見ることもできる。しかしながら、それは例えば、インターネットに不可欠なHTMLにおいて、文書構造を記述するHTML部分とレイアウトを記述するCSS部分とに分離して取り扱うことが合理的で推奨されることであるように、仕事においても現実の実務処理部分と知識習得部分を切り分けて行う方が全体としての仕事の効率性を高めることは容易に想像できる。アフターファイブに自己研鑽を行う方が明らかに合理的だろう。人間というものは、生きるために働いていることは自明の理であるので、常に意識的に学習時間を確保することが求められている。できるだけ日常業務時間を効率的に短く済ませて、時間を掛け流しにせずに脳内に蓄積することが資格取得の意味ではないだろうか。