泣く
泣く(鳴く)とは、涙を流すこと。声をあげて悲しむこと。犬がわんわん。ネコがにゃーにゃー。と声を出すこと。セミがミンミン。スズムシがリンリンと音を出すこと。泣くとは、視覚や聴覚に訴えるように情報を発信すること。それは、悲しみの表現だけに限らず、喜びもある。欲情もある。助けを求めたり、自己主張のしぐさでもある。赤ちゃんや子供は、保護を求めて声を発する。声を出して保護を求めることを泣くという。それは生きるための意思疎通の手段。一方で、「きみの過ちには、お父さんが泣いてるよ」などと、身近な人から悲しみが発信される原因を作っていることを示して啓すことにも使われます。そういえば、「泣いてくれ」という言葉があります。「損失を引き受けてくれ」という意味です。「お前、悪いけどこの仕事の分、泣いてくれるか。」などと言います。それはつまり我慢してくれという意味です。悲しみを黙って引き受けてくれという意味です。黙って引き受ろというなら、それは「涙を呑んでくれ」というべきでしょう。他にも「ブレーキが鳴く。」という言葉があります。「キキキキ」と鳴くのですが、それは、なにがしかの無理が掛かっている兆候です。このように異常を知らせることも泣くということです。赤ちゃんは、産まれたとたんに泣き始めます。やはり泣くとは、意思疎通の手段。生きる音。生きる動作音といえるでしょう。