衛霊公第十五(397)論語ノート
子曰。君子病無能焉。不病人之不己知也。
子曰く。君子、能くする無きを病(うれ)えん。人の己を知らざるを病(うれ)えざるなり。
孔子が言うには、諸君は物事に熟達していないことを気に病むべきで、どうして気に病まずにおいてよいものだろうか。他人が自分を知らないことを気に病んでいる場合ではなかろう。
この章は学而第一(001)をはじめとして論語で繰り返される重要論点を示しています。自身への評価がなされないことを気に病むことは、論語の時代においても日常茶飯であったということでしょう。そして、その苦しみを感じた時には、自身の物事を成し遂げる力が未熟であることに思いを致し、それを成長への努力に繋げれば良いということを教えてくれています。
孔子自身も憲問第十四(369)において知られざることを嘆いています。このように、知られざることを嘆くことが自然な感情であることを知れば、現代を生きる大きな力となるはずです。