1. 徒歩

徒歩

足で地道を歩くこと。先進第十一(260)に「吾れは大夫の後に従い、徒行すべからざりしを以てなり。」とあり、「大夫の位に従うものが道を徒歩で往来するわけに行かなかった」とある。

論語の時代には一定の身分の人は相応の乗り物で移動するという慣わしがあったのだろう。そうした上位の観点と対比した地面を歩く意味であれば、これが一般的に使われる言葉となる過程においては上からの意味が薄まるとともに謙譲の意味を表して来たのかもしれない。

しかし例えば日本では「行事に歩いて来なさい。」という趣旨で使われている可能性があり、そうした目線のまま息づいている言葉なのかもしれない。いまは地に足を付けて歩くことは目的地に到達するための堅実で確実な方法を意味しているのだが。