根こそぎ
根こそぎとは、根絶やしにするほどに、こそぎ取ること。
「こそぐ」とは、金属製のヘラで床にへばり付いたガムの固着物を床面に沿って削ぎ落とすような作業をいう。固着物は床面から出っ張っているのでヘラを床面に沿わせて滑らせ固着物に小刻みに当てると端のほうから浮き上がらせて少しずつ取り除くことができる。別の例で言えば、和栗を蒸して縦に半分に切り、スプーンでほじくり出しながら食べるときに最後の渋皮ギリギリまでこすり取るようなこともこそぐという。また鍋の底に付いてしまったコゲを洗剤とスポンジできれいにこすり落とすこともこそぐという。小さく、小刻みに、こするという、少量で反復する意味を「こ」に込めているに違いない。
このように「根こそぎ」とは、こそぐという細かい作業を使って再生不可能なほどに取り尽くすことを表す。植物が新たに芽吹いて広がるための余地や動物が繁殖して個体数を増やす余力さえも残さない取り方を「根」で表している。