足場
建設現場では建物の外壁を覆うように仮の枠組みを組み上げながら作業が進められる。それは単管などの鉄パイプをジョイントやクランプという金具で繋いだものであり、組み上がる各層には歩けるように足場板という床板が配置されていく。私が知る限りでは10階建てのマンションでもその高さまで手際よく枠が組み上げられる。こうした工事用の仮設枠組を足場(あしば)と呼ぶ。
この足場は工事が終わると分解されて取り除かれる。工事の都度、その高さまで外枠を立ち上げる。こうした作業は一見不合理にも思えるが、安全に作業を進めるために不可欠な手順なのだろう。
ところで事務仕事にも、この足場と同じ手順があるだろうか。私の場合は初めて取り組むことばかりで、常に試行錯誤の連続である。仕事が終わると組み上げた知識や思考をリセットする。ベテラン職員の方は最初から足場無しで工事を進めているような勢いだ。
と思い掛けて感じた。そうでもないか。いつも「また新しい仕事で一から調べないといけないのか。」と思うことばかりだが、建設現場だってそれは同じだろう。そこに足場がある意味を考えよう。必要な準備の共通性を意識すれば、作業の効率性が見えてくるのではないだろうか。