メーリングリストとは、日本語にすれば「送信一覧表」であり、「電子メールにおける送信一覧表管理システム」といえる。「ご質問はメーリングリストで流しておいて下さい。」とか、「会議で出されたご質問には後日メーリングリストで回答します。」などと会話の中で普通に使われるほど一般的に利用されている。メーリングリストには、「送信一覧表」宛てのメールアドレスというものがあり、そこにメールを送信することで送信一覧表に含まれる全員に対してメールの複本が送信される仕組みになっている。そのため意図せずに購読者全員に私的な内容のメールを送信してしまうという事故には十分に注意する必要がある。
送信一覧表宛てのメール本文にコマンドを入力して送信することで、送信一覧表へのメールアドレスの新規登録、削除、サーバに保管されているバックナンバー(過去メール)の取り寄せ、送信一覧表の取り出しなども行うことができる。しかしこうした特殊な操作はメーリングリストを難しいものと感じさせる要因になっている。
そもそもメーリングリストを使わなければ、2〜3人だけのグループ内でさえメールアドレスの指定が面倒なことになる。例えばそれぞれがメンバー全員に対してメールを送信する場合には、それぞれが自分を含まないメンバーのメールアドレスを宛先に指定しようとする。そうすると必ず発信者の欠けた宛先へのメール送信となり、それぞれが自分を含まない送信一覧表を管理しなければならない。メンバーが増えたり減ったりした場合には全員がそれぞれに自分が持っている送信一覧表の変更をしなければならず、送信漏れを生む原因になる。
しかしメーリングリストを使うと、サーバー上の送信一覧表を変更するだけで済む。この合理性が利点といえる。一方でメーリングリストを会報の発信や議論の手段として運用する場がある。そうするとバックナンバーを取り寄せられるようにしたり、送信一覧表への新規登録、削除のコマンドを受け入れたりと、サービスを継続させ続けなければならない精神的重圧がのしかかってくる。
メーリングリストでは、誰か一人が管理者になって送信一覧表を管理することができる。コマンド操作の受付をせず、バックナンバー管理を行わない設定を選ぶこともできる。また「送信一覧表」に対して送信できるメールアドレスを限定することで送信専用のメーリングリストにもできる。このように使い方を限定すれば、「いつでもやめることができる全員宛てのメールアドレス」として気軽に利用できるに違いない。