1. 除湿機とベアリングその2

除湿機とベアリングその2

除湿機分解の図

モータのベアリング交換作業では、ローターを貫いている軸から2個のベアリングを取り外すことと、取り付ける方法に悩みました。ローターに傷を付ける結果となりましたが専用工具なしで着脱することができました。奥側はマイナスドライバーを使って満遍なくテコの原理で力を加えることで抜き取ることが可能で、手前側はベアリングの外径をペンチで挟んで固定し、軸を金づちで少しずつ叩いていくことで抜き取ることが可能です。特筆すべきはペンチでベアリングを挟んだ際にペンチのおまけ機能として設けられている被覆銅線の皮むき用のせり出しがうまくベアリングを捉えてくれたことです。作業上の注意点としては、回転軸にはベアリングのズレを防止するためにスナップリングが嵌っていることを意識すべきことです。スナップリングごと押し上げようとしてもうまくいきません。

さてベアリングが外れたので修理の展望が見えてきました。新しいベアリングを並べてみると精密部品の美しさが際立ちます。取り付けられていたベアリングはNTN製でしたが、新しいベアリングはミネベア製の両シールドラジアル玉軸受でDDR-1950ZZです。ベアリングは規格化されており、こういうミニチュアベアリングも簡単に入手することができました。いずれにせよ除湿機のモーターの構造がシンプルで分解できる上に、汎用のボールベアリングが取り付けられていたため、メンテナンスが可能となりました。ここにはメーカーの良心を感じずにはおられません。除湿機はコロナ製でCD-630AXです。