1. 扇風機

扇風機

扇風機のファンの図

扇風機とは、電動モーターで翼を回して、巻き込んだ空気を前面に押し出し、人に風を当てて涼を取るための装置といえる。快適さを得るための費用をできるだけ節約する手段として広く普及している。節電志向のパーソナル快適機といえる。夏特有の気温、室温の高さゆえの不快感を和らげるためには、窓を開け放して自然の風を室内に取り込み、水を浴びたり、冷水を飲むなどして体温を下げることが大切なことといえる。それに加えて一人一台の扇風機で風を独占すれば、エアコンを使わなくとも、ひと夏を快適に過ごすことができる。 しかし、扇風機には宿命的な弱点がある。それは、常に直接、肌に風の当たる感覚を受けなければ涼を取ることができないということだ。そのため、特に鋭敏な感覚を研ぎ澄ます作業を行う際などには、集中力を削がれてしまうという大きな欠点が立ちはだかっている。

扇風機が満たすべき性能。

良い扇風機の満たすべき性能水準としては、圧倒的風量を持つものと、首振り角が広いもの、上向き角が大きいもの、高さを変えることができるもの、欲をいえば簡単なリモコン付きのものが理想といえる。しかしリモコンは、風量を変えに行くのが面倒だからという理由を満たすためだけの趣旨となる。1990年代まで存在していたが、3枚で傾斜角が大きく取られた羽のものは、近年主流の多枚羽のものに比べて圧倒的風量を誇っていたが、時代の流れとともに駆逐されてしまった。製品の良し悪しを如実に示す特徴としては、回転する翼を横から見た時にぶれがなく、静止しているかのように安定して回転しているかどうか、そういう回転品質こそが挙げられるべきだろう。軸がぶれないということは、機械製造業の技術の基本であり、誇りにかけて守るべき品質といえる。というほどでもないが、回転にぶれがあれば、エネルギー損失が生じるうえに、モーターのベアリングにも負荷が掛かるため、製品寿命を左右することにもなる。そもそも工業製品であるモーターの軸が偏心するわけではないので、成型部品である翼の側の品質と思われる。日常目にする部分でもあり、ぶれた回転翼を避けたい場合は製品を確認したうえで、概ね7,000円以上のものを選びたい。(これは趣味の領域のこだわりの議論であって、3,000円台の扇風機でも高い性能を発揮するはず。)

扇風機に微弱風が求められる意味。

恐らく、DCモーター採用、低回転、微風、消音(小音)であることは、赤ちゃんやお年寄りが利用する際に、人にやさしいという意味があると思われる。またエアコンと併用することを想定しており、扇風機単独で涼を取るという節約志向とは異なる観点があるのだろう。しかし、扇風機単独の節約志向の場合でも、従来の弱風では、「特に鋭敏な感覚を研ぎ澄ます作業を行う際などには、集中力を削がれてしまう」欠点があるため、超微弱風というものが実現できているのであれば、需要はあると思われる。

扇風機に強風や首振り角が求められる理由。

梅雨時期などに洗濯物の室内干しをする際には、扇風機と除湿機があれば便利な組み合わせとなる。その際、扇風機には、できるだけ強風で、首振り角が広く、上向き角度が大きく、高さを変えられるという性能が求められる。それによって洗濯物の乾き方が歴然と異なることになる。そういう実用性までは求めないとしても、強風であるということは、暑い日に家に帰った時に、まず水を浴びてから、最強風にして扇風機を浴びる快適さが保障されることになる。また、夜に寝室で川の字に寝ている家族全員に風が届くためには、首振り角ができるだけ広い製品であることが求められることになる。