芦刈山のちまきの紹介です。実は2007年は芦刈山は山一番となりました。巡行順が、長刀鉾に続く第一番目になったために縁起が良いということで、ちまきは宵々山には売り切れたそうです。しかし祇園祭の物語は、ちまきが売り切れたところにありました。芦刈山のちまきを求めて立ち寄ったところ「ちまきは昨日には売り切れました。」「えーっ。そうですか。」「今年は山一番で、人が一気に押し寄せて昨日売り切れました。初めから山一番と判っていたらたくさん用意するんですが、これは用意した後で判るものですから。」「そうですかぁ。」ということで、諦めて帰ろうと思ったところ、「袋はあるから、これを一枚持って行って」と云ってちまきの袋を下さったのです。隣から「また来年来てください。」と声が掛かりました。せっかく来てくれたからには何か持たせたいという思いと、来年も来てねという思い。両方とも「直きこと其の中にあり」の言葉の妙で芦刈山を訪れた値打ちを感じました。
芦刈山のちまきの説明 | 芦刈山のちまきの写真 | |||
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芦刈山のちまきの袋です。立派な袋になっています。謡曲芦刈の場面で別れて暮らす夫が妻と再会した時に発した台詞が記されています。「君なくてあしかりけりと思ふにもいとど難波の浦は住み憂き」。ここで気づきましたが、「芦刈」と「悪しかり」を掛けてあるのですね。ちなみに裏には謡曲芦刈のあらすじも説明されており、再会を果たして一緒に京へ向かう話となっています。 | ||||
2007年の山一番で売り切れたちまきでしたが、2008年に再び山を訪れてようやく買い求めることができました。芦刈山のちまきは、飾り付けが華やかです。ちりめんの白生地。「夫婦和合」「芦刈山」「蘇民将来之子孫也」と記された紙に通された緑色の茎とその先に咲く黄色い花。さらに芦刈山の小さい木札が付いています。これらは恐らく謡曲芦刈にちなんだものなのでしょう。 | ||||
ちまきの裏側には特段のしかけはありません。また十本で一組のスタイルも他所と同じです。ちなみにこの黄色い花は、イネ科のアシの花ではないように見えます。また、そのうちに取材をします。ちなみに芦刈山のちまきに付いている木札を裏返すと、「夫婦和合、縁結び」と記されていることも、付け加えておきましょう。 |