子張第十九(479)論語ノート
子夏曰。小人之過也必文。
子夏曰く。小人の過ちや、必ず文(かざ)る。
小人とは、つまらない人の意。つまらないとは、満ちていないこと。充足されていないこと。不十分なこと。故に小人とは不十分な人の意となる。不十分とは十分に至る途中のことであり、途上であること。小人とは全否定の言葉ではない。過とは行きすぎること。文とは飾ること。
子夏曰く。不十分な人が行き過ぎると、必ずうわべを取り繕ってごまかそうとする。
過ちがあった際に、全否定的に叱り飛ばす人があった場合、叱られた側は何故その過ちが起こったのかを省みることができず、むしろ所属する集団から排除されかねない恐怖心が先に立つ結果として、過ちをごまかそうという発想になってしまう。つまりこれは小人の側だけの問題ではない。子路第十三(327)が参考になる。