鍋の取っ手
鍋の取っ手とは、調理に使いやすいように鍋に取り付けられた持ち手をいう。使いやすいとは何か。鍋はコンロに掛けると熱くなり、素手で持つことができない。いちいち鍋つかみを使うことも煩雑です。だから熱が伝わらない木製か樹脂製の取っ手が良いとされます。木製は水で濡れる鍋の宿命として傷みます。持ちやすい形状にするにも加工に手間が掛かります。同質の材料の調達にも難があります。しかし樹脂製なら最適な形状での成型が容易でコストも抑えられます。耐水性もあります。だから樹脂製の鍋の取っ手は極めて合理的といえます。それが合理的なのであれば、樹脂製を選択するべきことになります。
グロックという拳銃があります。オーストリア製で持ち手が樹脂でできています。それは拳銃の機能性が追及された結果の構造なのです。いま鍋の持ち手が樹脂であることは「ナチュラル」ではないとか、石油から作られる製品なので、エコな調理のイメージに相反するとか、様々な理由から、取っ手や持ち手は金属製が良いとか、木製が良いという考え方が存在しているように感じます。しかしながら、そのように悩むことはないと思います。人類の生活の利便性を支えるために、あらゆる場所で樹脂が使われています。それは合理的な素材だからです。プラスチック製品を使い捨てることで環境に負荷がかかっているとしても、それは使い捨てるという生活様式の問題のように感じます。使い捨てられない領域でもプラスチックは常に活躍しています。良いものは良いとして積極的に取り入れていけばよいのではないでしょうか。樹脂製の取っ手は間違いなく素晴らしいものです。