貧乏ゆすり
貧乏ゆすりとは、膝を痙攣のように動かす仕草をいう。無意識に始めてしまい意識してもやめにくい。
本人が解決しにくい身体や外見についての特徴をとらえて「貧乏」と称することが許されているのはこの言葉の歴史が古いからだろう。新語ならこのようないい方は許されないに違いない。例えるなら、何もない野原で稼働する工場の周りに年月が経ち民家がポツポツと出来てくる。周辺の住民は後から越してきた立場ゆえ、その稼働音に文句を言えない。しかしさらに年月が経ち、周囲に民家が密集してくると、いよいよその工場の騒音が苦情の元となり始める。これと同様に昔から存在していたものは、ある時まではその立場が尊重されている。餅も喉に詰まらせやすい危険な食べ物だが未だ禁止されていない。だからこそ、あらゆる物事への対処は自分で決めて行かなければならない。それが本来の自己防衛といえる。